HOME

鐘楼・梵鐘について


1. 梵鐘について      
  1. 梵鐘の由来
  2. 梵鐘の形式
  3. 和鐘の各部の名称
  4. 梵鐘の撞木と音色
2. 梵鐘の紹介        
  1. 蓮浄寺の梵鐘
  2. 本願寺と同派の梵鐘
     
     
3. 梵鐘・鐘楼の各種データ  
  1. 梵鐘の寸法と重量
  2. 梵鐘各部寸法表
  3. 梵鐘と鐘楼の大きさの関係
  4. 撞木の材質と寸法

1. 梵鐘について

1-1. 梵鐘の由来

 梵鐘は、もともと仏教教団生活を規制するためのものであり、初期の大乗仏教ではこの事実を忠実に守っていたが、後には単に寺の存在を示し、一般大衆と仏教のつながりを保持するものとなった。このように梵鐘は、時を知らせたり儀式の合図に打ち鳴らす梵音具である。「梵」はサンスクリット語の「神聖・清浄」を意味する Brahman(ブラフマン)の音訳である。本来この梵鐘とは、仏教法具としての釣鐘を意味する言葉で、普通使用されるときには、寺鐘以外に、殿鐘・社鐘・城鐘・時鐘を含めた釣鐘・撞鐘(つきがね)一般を意味する。梵鐘は銘文中には洪鐘・蒲牢・金鐘・銅鐘・豊鐘・景鐘・華鐘・華鯨・鴻鐘・巨鐘・鳬鐘・梁鐘など数多くの異名が見られる。
 一般に梵鐘の大きさは口径1尺8寸(約54.5cm)以上をいい、口径1尺7寸以下は半鐘、高さ2尺5寸(約75.8cm)を喚鐘という。また口径2尺(約60.6cm)くらい、重量65貫(約243.8kg)、二人で天秤棒をもって担げるものは半鐘で、それ以上が梵鐘またはつり鐘ともいう。一説に、喚鐘は口径1尺(約30.3cm)以下の鐘、半鐘は口径2尺2〜3寸(約66.7〜69.7cm)以下の鐘をいい、梵鐘は口径2尺3〜4寸以上、重量100貫(約375kg)以上のものともいわれる。

目次に戻る

1-2. 梵鐘の形式

 梵鐘を形式上から分類すると、日本で造られた純日本式の「和鐘」、韓国で鋳造された「朝鮮鐘(韓国鐘)」、中国製の「中国鐘」に大別できる。また和鐘と朝鮮鐘、または中国鐘との混合様式になるものや朝鮮鐘、中国鐘を日本で模索した鐘もみられる。
 日本に現存する鐘は、ほとんどが和鐘であることはいうまでもない。朝鮮鐘は40口余を数えるにすぎず、中国鐘の数は極めて少ない。

目次に戻る

1-3. 和鐘の各部の名称

梵鐘の各部の名称 梵鐘の形状は大体において定まっており、下方に丸く口の開くコップ形の中空の「鐘身」と、この鐘身を懸垂するために上部に付けられる「龍頭」とからなる。さらに詳しく述べると、二個の龍頭が天丸形に頸を連ねて、その上部に宝珠を飾った「龍頭」が最上部につき釣り手となる。この龍頭の口唇の接する鐘身上面部分を「笠形」または「饅頭形」といい、笠形の外周縁を「肩」、肩以下の鐘の口唇下端までを「胴」、または狭い意味の「鐘身」という。
 鐘身は紐(ちゅう)という隆起した線で縦横、狭広の区画に分割されるが、紐によって作られる縦横の区画を「袈裟襷」という。鐘身口縁の出張りを「駒の爪(こまのつめ)」といい、肩の下部を一周する区画を「上帯」、駒の爪の上を一周する区画を「下帯」という。この上下帯間を「縦帯」という区画で縦に胴を四等分しており、縦帯に直交して胴の中央部を一周する区画「中帯」があり、縦帯と中帯の交差するところ、前後二個所に「撞座(つきざ)」がつく。
 各縦帯間の空地は、上部から「乳(ちち=突起物)」を並列して置く「乳の間」があり、その下部には普通銘文を記す「池の間」がある。そして中帯と下帯の間を「草の間」という。上下帯には唐草文を鋳出している。銘文の記入方法には陽鋳といって浮き出させる方法と刻銘(鏨で文字を彫る)とが行われているが、銘文の記入個所は必ずしも池の間とは限らない。

目次に戻る

1-4. 梵鐘の撞木と音色

 撞木  梵鐘を撞き鳴らす撞木(しゅもく)は、梵鐘にとって重要なものである。棕櫚(しゅろ)の木がよく用いられるが、棕櫚は繊維質なので、梵鐘にとってはよいが、音がやわらかく遠音がきかない。撞木にはよく枯らした重い木が可とされているが、樫や襷ではかたすぎるので、脂身の松が良いとされる。丸太では打鐘の結果早く割れてしまうので芯去りにした材が良く、梵鐘の口径の四分の一から五分の一太さで、長さは口径の二倍半以上が最良である。この条件を満たすにはかなりの大材が必要である。また打鐘して余韻のあるうちに鐘を撞かないことが、破鐘を防ぐことになることを心がけなくてはならない。これはうなりのあるときに打つと、次の打鐘で無理が生ずるからである。また撞木の吊り方も、鐘に当たる反対側をわずかに上げて吊り下げるのがよい。
 音色  梵鐘は形と環境によって音色が異なり、それぞれ個性を持つ。秘伝では、高地の鐘は重く造り、音は「ゴ〜ン」という音で、平地の鐘は軽く造り、「カ〜ン」という音が良いとされている。古来名称といわれる梵鐘は、釣るす周囲の環境がよく、また形の美しいことが条件である。例えば梵鐘の近くに竹藪などがあると梵鐘を撞いても防音装置の役目を果たし遠音がしないなど、鐘の音は環境に大きく左右される。三井の晩鐘で有名な滋賀・園城寺の梵鐘は、うしろに山があり、前面に琵琶湖が広がるという環境的に最良の立地条件にあたるため、音は湖面を伝わり遠音がきく。このように梵鐘は形状・環境・撞木がそろってはじめて良い音が撞き鳴らされるのである。

目次に戻る

2. 梵鐘の紹介

2-1. 蓮浄寺の梵鐘

 文政梵鐘  文政2年9月、丹波氷上郡足立半右衛門藤原家國鋳造の梵鐘。明治9年5月、廃仏毀釈運動のあおりで、氷上郡青雲寺より蓮浄寺に売られて来た。その後、第二次世界大戦時の金属回収令をうけ、昭和17年5月に供出されたまま行方不明となっている。戦時中、全国の寺院からたくさんの梵鐘が供出されたが、混ぜものが多かったからか、ほとんど使いものにならず野ざらしにされていたと聞く。元の寺院に戻ったり、他の寺院に拾われていった梵鐘は、ほんのごくわずかである。
 昭和梵鐘  昭和23年3月、大阪日立築港造船所で鋳造された梵鐘。当時、造船所で梵鐘を造っていたことに驚かされる。この梵鐘は蓮浄寺の鐘楼堂の大きさから比べれば少し小さかったが、梵鐘のない鐘楼堂に6年ぶりに梵鐘が釣られた。蓮浄寺では次に述べる平成梵鐘の新調により、この梵鐘は西宮市内の寺院に寄贈された。
 平成梵鐘  平成7年12月、三重県桑名市中川正知氏鋳造の梵鐘。氏は永平寺の梵鐘の作者。昭和梵鐘が鐘楼堂に比して小さかったので、この梵鐘が新調された。新しいので銀色に鈍く輝いている。

目次に戻る

2-2. 本願寺と同派の梵鐘

 本願寺に現存する梵鐘は、天文16年(1547)に証如上人が石山本願寺に設置されたもので、もとは京都太秦の広隆寺にあったものと伝えられる。  本願寺派の寺院が独自に鋳造した梵鐘で最古のものは、次のものと思われる。
  1.永禄9年(1566)姫路市亀山・本徳寺
  2.永禄10年(1567)大和下市町・願行寺   (坪井良平著『梵鐘と古文化』より)
 なお、梵鐘は六物(仏室・厨子・出仏壇・金張附・梵鐘・喚鐘)の一つで、六物の設置は明治初年まで本山の特許を要した。

目次に戻る

3. 梵鐘・鐘楼の各種データ

3-1. 梵鐘の寸法と重量

外    径龍頭下高さ標準重量
1尺6寸(49cm)2尺4寸  (72cm)30貫(112kg)
1尺7寸(52cm)2尺5寸5分(77cm)35貫(130kg)
1尺8寸(55cm)2尺7寸  (81cm)42貫(158kg)
1尺9寸(58cm)2尺8寸5分(86cm)50貫(188kg)
2尺0寸(61cm)3尺0寸  (90cm)60貫(225kg)
2尺1寸(64cm)3尺1寸5分(95cm)73貫(275kg)
2尺2寸(67cm)3尺3寸  (100cm)88貫(330kg)
2尺3寸(70cm)3尺4寸5分(103cm)103貫(385kg)
2尺4寸(73cm)3尺6寸  (108cm)120貫(450kg)
2尺5寸(76cm)3尺7寸5分(110cm)140貫(525kg)
2尺6寸(79cm)3尺9寸  (118cm)160貫(600kg)
2尺7寸(82cm)4尺0寸5分(122cm)185貫(695kg)
2尺8寸(85cm)4尺1寸  (125cm)210貫(788kg)
2尺9寸(88cm)4尺3寸5分(130cm)230貫(860kg)
3尺0寸(91cm)4尺5寸  (135cm)260貫(975kg)
3尺2寸(97cm)4尺8寸  (145cm)320貫(1,200kg)
3尺5寸(106cm)5尺2寸5分(155cm)380貫(1,425kg)
3尺8寸(115cm)5尺7寸  (170cm)460貫(1,725kg)
4尺0寸(122cm)6尺0寸  (180cm)580貫(2,175kg)
4尺5寸(137cm)6尺3寸  (203cm)880貫(3,300kg)
5尺0寸(152cm)7尺3寸  (220cm)1,400貫(5,250kg)
6尺0寸(182cm)8尺5寸  (255cm)2,500貫(9,375kg)
7尺0寸(212cm)9尺8寸  (297cm)4,000貫(15,000kg)
8尺0寸(242cm)11尺2寸  (339cm)6,130貫(23,000kg)
9尺0寸(273cm)12尺5寸  (375cm)10,000貫(37,500kg)
10尺0寸(303cm)13尺9寸  (421cm)18,700貫(70,000kg)


目次に戻る

3-2. 梵鐘各部寸法表

 外 径  龍頭内 
 寸 法 
駒の爪より
撞座高さ
池 ノ 間 寸 法六  道  寸  法
  縦    横  ケキリ迄  池ノ間 池ノ間下   巾  
1尺6寸3寸1分  5寸3分  6寸3分  9寸0分  4寸5分  7寸3分1寸6分
1尺7寸3寸1分  6寸1分  7寸2分  9寸7分  5寸5分  7寸5分1寸6分
1尺8寸3寸2分  5寸7分  7寸8分  9寸9分  6寸3分  8寸0分2寸3分
1尺9寸4寸1分  5寸8分  7寸9分1尺0寸9分  6寸7分  8寸7分2寸1分
2尺0寸4寸1分  7寸2分  7寸8分1尺1寸7分  5寸7分  9寸7分2寸1分
2尺1寸4寸6分  8寸6分  8寸5分1尺1寸8分  6寸3分1尺0寸0分2寸2分
2尺2寸4寸6分  9寸0分  8寸2分1尺2寸6分  5寸9分1尺1寸7分2寸1分
2尺3寸5寸0分  9寸0分  9寸2分1尺3寸0分  6寸5分1尺1寸6分2寸5分
2尺4寸5寸3分  1寸2分  9寸7分1尺4寸0分  6寸5分1尺2寸8分2寸4分
2尺5寸5寸5分  9寸3分1尺0寸6分1尺4寸0分  6寸7分1尺1寸3分2寸0分2寸6分
2尺6寸5寸9分  9寸8分1尺1寸3分1尺4寸6分  6寸6分1尺2寸0分1寸5分2寸9分
2尺7寸6寸3分1尺0寸4分1尺1寸8分1尺4寸8分  7寸0分1尺2寸4分2寸2分3寸2分
2尺8寸6寸3分1尺0寸5分1尺2寸0分1尺6寸0分  7寸5分1尺2寸7分2寸4分3寸3分
2尺9寸6寸8分1尺1寸0分1尺2寸7分1尺6寸5分  7寸5分1尺3寸5分2寸5分3寸1分
3尺0寸6寸8分1尺1寸5分1尺3寸0分1尺7寸0分  7寸5分1尺3寸7分3寸3分3寸5分
3尺2寸7寸0分1尺2寸0分1尺3寸5分1尺8寸0分  7寸4分1尺3寸7分3寸3分4寸3分
3尺5寸8寸0分1尺2寸5分1尺4寸3分1尺9寸2分  8寸5分1尺4寸5分5寸0分7寸5分
3尺8寸8寸7分1尺4寸0分1尺5寸5分2尺0寸5分  9寸7分1尺5寸8分6寸0分7寸8分
4尺0寸9寸0分1尺5寸0分1尺6寸5分2尺2寸0分1尺1寸0分1尺7寸0分7寸0分9寸0分


目次に戻る

3-3. 梵鐘と鐘楼との大きさの関係寸法

外    径適合した四本柱鐘楼堂の大きさ
柱間内寸法高   さ
1尺6寸(49cm)4尺8寸(145cm)8尺5寸(258cm)
1尺7寸(52cm)5尺1寸(154cm)8尺8寸(266cm)
1尺8寸(55cm)5尺4寸(163cm)9尺1寸(275cm)
1尺9寸(58cm)5尺7寸(172cm)9尺4寸(284cm)
2尺0寸(61cm)6尺0寸(181cm)9尺7寸(294cm)
2尺1寸(64cm)6尺3寸(191cm)10尺0寸(303cm)
2尺2寸(67cm)6尺6寸(200cm)10尺2寸(309cm)
2尺3寸(70cm)6尺9寸(209cm)10尺4寸(315cm)
2尺4寸(73cm)7尺2寸(218cm)10尺6寸(321cm)
2尺5寸(76cm)7尺5寸(227cm)10尺8寸(327cm)
2尺6寸(79cm)7尺8寸(236cm)11尺0寸(333cm)
2尺7寸(82cm)8尺1寸(245cm)11尺2寸(339cm)
2尺8寸(85cm)8尺4寸(254cm)11尺4寸(345cm)
2尺9寸(88cm)8尺7寸(263cm)11尺6寸(351cm)
3尺0寸(91cm)9尺0寸(272cm)11尺8寸(357cm)
3尺2寸(97cm)9尺6寸(290cm)12尺2寸(372cm)
3尺5寸(106cm)10尺5寸(318cm)12尺8寸(387cm)
3尺8寸(115cm)11尺4寸(145cm)13尺4寸(406cm)
4尺0寸(122cm)12尺0寸(363cm)13尺8寸(418cm)
四本柱鐘楼堂


目次に戻る

3-4. 梵鐘撞木の寸法

梵鐘の外径撞 木 の 寸 法
直  径長  さ
1尺6寸2寸5分4尺3寸
1尺7寸2寸5分4尺3寸
1尺8寸2寸7分4尺4寸
1尺9寸2寸9分4尺6寸
2尺0寸3寸1分4尺8寸
2尺1寸3寸3分5尺0寸
2尺2寸3寸5分5尺1寸
2尺3寸3寸7分5尺2寸
2尺4寸3寸8分5尺3寸
2尺5寸3寸9分5尺5寸
2尺6寸4寸1分5尺6寸
2尺7寸4寸3分5尺8寸
2尺8寸4寸5分6尺0寸
2尺9寸4寸7分6尺2寸
3尺0寸4寸8分6尺4寸
3尺2寸5寸2分6尺6寸
3尺5寸5寸4分7尺0寸
3尺8寸6寸0分8尺0寸
4尺0寸6寸2分8尺5寸
梵鐘と撞木

目次に戻る


HOME