讃佛偈作法


(1)總礼頌

原文稽首佛足 右繞三匝
長跪合掌 以頌讃曰
和訳仏足を稽首し、右に繞ること三匝して、長跪合掌して、頌をもつて讃めてもうさく。
出拠康僧鎧訳 『無量寿経』上巻 讃仏偈前文 『真聖全』1・6-2/『註釈版』11-7
備考『梵唄集』所載の「讃仏会作法」の「総礼伽陀」の依用であるが、譜は「讃弥陀偈作法」の「総礼頌」と同じもので「五眼讃」に依る。
「讃弥陀偈作法」の「総礼頌」を参照


(2)讃佛偈

原文佛説無量壽經
光顔巍巍 威神無極 如是焔明 無與等者 日月摩尼 珠光焔耀
皆悉隠蔽 猶若聚墨 如来容顔 超世無倫 正覚大音 響流十方
戒聞精進 三昧智慧 威徳無侶 殊勝希有 深諦善念 諸佛法海
窮深尽奥 究其涯底 無明欲怒 世尊永無 人雄獅子 神徳無量
功勲広大 智慧深妙 光明威相 震動大千 願我作佛 斉聖法王
過度生死 靡不解脱 布施調意 戒忍精進 如是三昧 智慧為上
吾誓得佛 普行此願 一切恐懼 為作大安 仮使有佛 百千億萬
無量大聖 数如恒沙 供養一切 斯等諸佛 不如求道 堅正不却
譬如恒沙 諸佛世界 復不可計 無数刹土 光明悉照 ■此諸国
如是精進 威神難量 令我作佛 国土第一 其衆奇妙 道場超絶
国如泥■ 而無等双 我当哀愍 度脱一切 十方来生 心悦清浄
已到我国 快楽安穏 幸佛信明 是我真證 発願於彼 力精所欲
十方世尊 智慧無礙 常令此尊 知我心行 仮令身止 諸苦毒中
我行精進 忍終不悔
和訳▼光顔巍々として、威神極まりなし。かくのごときの焔明、ともに等しきものなし。▼日月・摩尼珠光の焔耀も、みなことごとく隠蔽せられて、なほ聚墨のごとし。▼如来の容顔は、世に超えて倫なし。正覚の大音、響き十方に流る。▼戒と聞と精進と三昧と智慧との威徳は、侶なくして、殊勝にして希有なり。▼深くあきらかに、よく諸仏の法海を念じて、深きを窮め奥を尽して、その涯底を究む。▼無明と欲と怒りとは、世尊に永くましまさず。人雄獅子にして神徳無量なり。▼功勲広大にして、智慧深妙なり。光明の威相は、大千を震動す。▼願はくは、われ仏とならんに、聖法王に斉しく、生死を過度して、解脱せざることなからしめん。▼布施・調意・戒・忍・精進、かくのごときの三昧、智慧上れたりとせん。▼われ誓ふ、仏を得たらんに、あまねくこの願を行じて、一切の恐懼に、ために大安をなさん。▼たとひ仏ましまして、百千億万の無量の大聖、数恒沙のごとくならんに、▼一切のこれらの諸仏を供養せんよりは、道を求めて、堅正にして却かざらんにはしかじ。▼たとへば恒沙のごときの諸仏の世界、また計ふべからざる無数の刹土あらんに、▼光明ことごとく照らして、このもろもろの国に遍じ、かくのごとく精進にして、威神量りがたからん。▼われ仏とならんに、国土をして第一ならしめん。その衆、奇妙にして道場超絶ならん。▼国泥■のごとくして、しかも等しく双ぶものなからしめん。われまさに哀愍して、一切を度脱すべし。▼十方より来生せんもの、心悦清浄にして、すでにわが国に至らば快楽安穏ならん。▼幸はくは仏、信明したまへ。これわが真証なり。願を発して、かしこにして所欲を力精せん。▼十方の世尊、智慧無碍にまします。つねにこの尊をして、わが心行を知らしめん。▼たとひ身をもろもろの苦毒のうちに止くとも、わが行、精進にして、忍びてつひに悔いじ。
出拠康僧鎧訳 『無量寿経』上巻 法蔵発願『真聖全』1・6-4/『註釈版』11-9 
備考『梵唄集』所載の「讃仏会作法」の「経段」をそのまま依用したもの。譜は魚山声明「声明例時作法」の「大懺悔」に依る。句頭は同じく「大懺悔」の句頭の博士を移す。


(3-1)回向句(甲)

原文稽首阿彌陀兩足尊
敬禮常住三寳
敬禮一切三寳
   我今歸依 釋迦善逝
   見眞大師 傳燈諸師
願以此功徳 平等施一切
同發菩提心 往生安樂國
和訳阿弥陀両足尊を稽首し、常住三宝を敬礼し、一切三宝を敬礼したてまつる。われいま釈迦善逝、見真大師、伝灯諸師に帰依したてまつる。願はくはこの功徳をもつて平等に一切に施し、同じく菩提心を発して、安楽国に往生せん。
出拠魚山声明に用いる「六種回向」の文に依って造句(1行目は十二礼文の初句より造語)された今集の回向句。
「願以此功徳」以下は、善導大師 『観経疏』玄義分
『真聖全』1・442-2/『註釈版』1453-1
備考『梵唄集』所載の「讃仏会作法」の「六種廻向」に相当。譜については「大師影供作法」の「回向句」を参照


(3-2)回向句(乙)

原文願以此功徳 平等施一切
同發菩提心 往生安樂國
和訳願はくはこの功徳をもつて、平等に一切に施し、同じく菩提心を発して、安楽国に往生せん
出拠善導大師 『観経疏』玄義分 「帰三宝偈」終わりの4句 『真聖全』1・442-2/『註釈版』1453-1 
備考「無量寿経作法」の「回向句」を参照