讀經作法


(1)總礼伽陀(先請伽陀)

原文先請彌陀入道場 不違弘願應時迎
觀音勢至塵沙衆 從佛乘華來入會
和訳まづ弥陀を請じたてまつる、道場に入りたまへ。弘願に違せず時に応じて迎へたまへ。観音・勢至・塵沙の衆、仏に従ひ華に乗じて来りて会に入りたまへ
出拠善導大師 『法事讃』上巻『真聖全』1・563-2
備考『声明品集』に「三経伽陀」として見えるが、この伽陀は古より三経の読誦に用いられてきた。現行の譜は『声明品集』の「三経章」の譜に依る。


(2)大経(四十八願文)

原文
和訳
出拠康僧鎧訳 『無量寿経』上巻 四十八願 『真聖全』1・8-5/『註釈版』15-13 
備考「無量寿経作法」の「経段」をそのまま依用したもの。「無量寿経作法」の「経段」を参照


(3)伽陀(瓔珞伽陀)

原文瓔珞經中説漸教 萬劫修功證不退
觀經彌陀經等説 即是頓教菩提藏
和訳瓔珞経の中には漸教を説く。万劫の修功不退を証す。観経・弥陀経等の説は、すなはちこれ頓教菩提蔵なり。
出拠善導大師 『般舟讃』『真聖全』1・687-2
備考「総礼伽陀」と同じく三経伽陀の一つであるが、以前は「小経」の伽陀として依用されたようで、「観経」の伽陀として「一一光明」の伽陀があった。現在は「観経」または「小経」に用いられている。譜は「総礼伽陀」を参照


(4)観経(第九真身観)

原文
和訳
出拠■良耶舎訳 『観無量寿経』九真身観 『真聖全』1・56-13/『註釈版』101-11 
備考「観無量寿経作法」の「経段」をそのまま依用したもの。「観無量寿経作法」の「経段」を参照


(5)伽陀(世尊伽陀)

原文世尊説法時將了 慇懃付屬彌陀名
衆等回心生淨土 手執香華常供養
和訳世尊の説法、時まさに了りなむとして、慇懃に弥陀の名を付属したまふ。衆等心を回して浄土に生ぜむとして、手に香華を執りて常に供養したてまつれ。
出拠善導大師 『法事讃』下巻 転経分
本文の初2句と後の2句で、中間は略す。
『真聖全』1・605-2
備考「阿弥陀経作法」の「回向句」を伽陀の譜に依って新制したもの。譜については「総礼伽陀」を参照


(6)小経(因果段以下)

原文
和訳
出拠鳩摩羅什訳 『阿弥陀経』『真聖全』1・67-1/『註釈版』121-1  


(7)讃(恩徳讃)

原文如來大悲ノ恩徳ハ 身ヲ粉ニシテモ報ズベシ
師主知識ノ恩徳モ ホネヲクダキテモ謝スベシ
出拠親鸞聖人 『正像末和讃』三時讃(59)『真聖全』2・523-a1/『註釈版』610-a9
備考譜は『梵唄集』中「読経結願作法」の終わりの「教化」の略譜である。なお、この和讃は『声明品集』にも「恩徳讃」として見える。


(8)回向

原文願以此功徳 平等施一切
同發菩提心 往生安樂國
和訳願はくはこの功徳をもつて、平等に一切に施し、
同じく菩提心を発して、安楽国に往生せん。
出拠善導大師 『観経疏』玄義分 「帰三宝偈」終わりの4句 『真聖全』1・442-2/『註釈版』1453-1 
備考『梵唄集』所載の「読経結願作法」の終わりの「伽陀」に相当する。譜については「広文類作法」の「回向」参照