御伝鈔下巻・第二段
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「御伝鈔」下巻


第二段(稲田興法の段)

 聖人(親鸞聖人)は、越後国より常陸国に入られ、笠間郡稲田郷に居住された。ひっそりと住まわれていたにもかかわらず、そこには道俗、貴賤を問わず大勢の人が集まった。ここに、仏法を弘通したいというかねての希望が達せられ、衆生利益の念願が満たされたのである。このとき聖人は「救世菩薩の告命を受けた夢と同じである」と仰せられた。