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(5)門徒の心得




6. お勤めの作法(読経は僧侶の役目?)
 月忌(がっき)参りなどで門徒さんの家を訪れてお勤めする時、しばしば寂しい思いをすることがあります。それは、せっかくお参りしているにもかかわらず、家の人が誰もそばにいないで、一人で勤行している時です。家の人は、と言うと、別の部屋で何やら用事をしていたり、お勤めが終わってから出すお茶の用意をしていたり−といった調子です。

 命日(めいにち)や逮夜(たいや:命日の前日)にお勤めするのは、亡き人を偲(しの)びつつ、それをご縁に仏法を聞き味わうためで、“私”を抜きにしてはあり得ません。僧侶がお参りさせていただくのも、そうした家族の方がたに仏縁を結んでいただくためであって、けっして“故人にお経を上げるため”ではありません。

 ですから、お茶の心配をしていただくことはありがたいのですが、それよりも、一緒に座って、お勤めに加わっていただきたいのです。

 さらに、僧侶がいなくても、日ごろからお経に親しみ、お勤めができるようになって下さればと思います。お経は確かに難しい漢字が多く、意味を理解するのは容易ではないでしょうが、繰りかえし上げていると、自然にスラスラ言えるようになり、経文の仏教用語にも興味がわいてくるものです。

 そこで、日常の勤行と、その作法について述べてみましょう。

 ぜひ、お勤めできるようになっていただきたいのは「正信偈(しょうしんげ)・六首引(ろくしゅびき)」です。毎日のお勤めでは“草譜(そうふ)”という節(ふし)で上げ、ご命日などの法要では“行譜(ぎょうふ)”で上げるのが一般的です。「正信偈」は蓮如(れんにょ)上人の頃(15世紀)から、先祖の方がたが読み親しんでこられたお経(聖典)であり、真宗門徒の必須のお経と言えましょう。

 このほか、時に応じて「仏説阿弥陀経」や「讃仏偈(さんぶつげ)」「重誓偈(じゅうせいげ)」「十二礼(じゅうにらい)」など、『浄土真宗聖典』や『門徒勤行集』に載っているお経も上げて下さい。

 ただ、「般若心経(はんにゃしんぎょう)」やご詠歌(えいか)はお勤めしません。それは、浄土真宗の勤行が、仏徳讃嘆(ぶっとくさんだん)であり、阿弥陀如来のご本願のおかげで救われていくことを慶んでお勤めするからです。自力修行を前提とした「般若心経」などは、その点、そぐわないわけです。

 勤行の作法は、

  1. 念珠を両手にかけ、合掌礼拝する。
  2. 経卓(きょうじょく)やひざに置いてある聖典を両手でとっておしいただき、開ける。
  3. 右手でリン棒を持ち、おリンを2回打つ。
  4. 勤行中は聖典を胸の前に両手で持つ(経卓があれば、そこに置く)。
  5. お勤めの最後は、通常おリンを3回打つ(指示されてある)。
  6. 聖典を閉じて両手でおしいただき、元の場所に置く。
  7. 合掌礼拝(らいはい)する。以上の要領です。
 なお、大切な聖典ですので、畳や床に直接置くことは避けましょう。また、おリンは勤行以外の時は鳴らさないようにしましょう。
  • お勤めは一緒に上げよう。
  • 「正信偈」は門徒必須のお経。
  • 「般若心経」は上げない。
  • おリンは勤行以外に使わない。




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