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(3)お墓と納骨




5. 墓相(墓相にこだわると逆に迷いが…)
 ある人がお墓を建てたところ、軸石にちょっとしたヒビのような筋(すじ)が入っているのに気づき、新しい石に取り替えました。しかし、1年もたたないうちにまた筋が入ったので、「きっとこれは故人がこの場所を嫌っているのだ」と思って、高価な代金を再び払い、別の墓地に移したのです。

 この人は墓相を気にし「墓石にビビが入ると家族が大ケガをしたり、家庭不和になる」と思い込んでいるようです。

 だいたい、自分の家の壁に少しぐらいのビビが入ったからといって、家を建て替えるかたはいないでしょうに、こと墓石となると、よく見ないとわからないほどのビビでも目くじらを立てて見つけ出し、取り替えるのですから、墓相を気にする人は相当のこだわりようです。

 ビビのほかにも墓石の一部が欠けたり、傾いたりすると「家運が傾き、不幸を招く」のだそうです。

 どれもこれも、自分や家族に災いが起こるのを恐れて神経質になるのでしょうが、墓石の状態と家人の災いの間には何らの因果関係もありません。むしろ災いが起こった時に、その原因を墓石に押しつけ、先祖のせいにして事実を正しく見ようとしない心のありようが問題でしょう。

 墓相にこだわるということは、根も葉もない迷信にふりまわされることであり、かえって不安や恐れが増して、少しも心からの安らぎを得られない結果となります。

 もっとも、ヒビ割れが実際に目立ってきたり、墓石が傾いて倒れそうになれば、修理や取り替えを行わなければならないことはいうまでもありません。しかし、それは“不幸を招く”からではなく、ご先祖の遺徳を偲び、如来さまのお慈悲を味わう場として、すっきりと気持ちよく手を合わせるためです。

 なお、お墓を移転(改装)することについても「移すと悪いことが起こる」と気にする人がいますが、そういうことも一切ありません。

  • 墓石の状態と災いの間に因果関係はない。
  • 墓相にこだわると迷いが一層深まる。




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