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(2)葬儀と中陰




14. 中陰中の灯明(火が消えると死者が迷う?)
 中陰の法要でお参りした時のことです。勤行がすみ、今後の仏事について相談を受けていたところ、遺族の一人がローソクの火が消えているのに気づき、あわてて新しいローソクに火をつけようとしたのでした。

 この方のように、中陰の間は「お灯明と線香は絶やしてはいけない」と思っている人が意外に多いようです。その灯明と線香も、お仏壇のそれではなく、中陰壇の方で、「もし絶やしたら、死者が迷う」というのです。

 人間、こだわりだしたら切りがないもののようです。火がついているか、消えているかで、死者が迷ったり悟ったりするものでないことぐらい、ちょっと考えればわかりそうなものですが、実際そうした迷信が頭に入っていると、いざ火が消えれば何となく気持ち悪く感じ、絶やさないように神経を使ってしまいがちです。

 ものの道理がわからず迷っているのは、実は死者でなく、生きている人自身と言えましょう。ローソクの火が消えてなくなれば、「あぁ、人生もこれと同じように無常だな」と感じるぐらいになればいいのですが…。

 もっとも、最近は便利になったもので、中陰壇には電気のお灯明があり、線香も長時間保つ巻線香が使われたりします。これなどは「絶やしてはいけない」という迷信の産物といえるかもしれません。

 しかし、仏前に供えるお灯明やお香は、阿弥陀如来の智恵と慈悲のお心を表しています〈灯明はこの項・お香はこの項参照〉。そして、如来さまを讃える気持ちで捧げ、捧げたそれらからまた、如来さまの真実を味わわせていただくものなのです。けっして故人の遺骨に捧げているのではありません。

 そうしたことから、お灯明や線香はお勤めや礼拝の時に火をつければよいのであって、49日間ずっとつけておく必要はありません。特に夜など火の用心の上でも危険です。

 なお、ローソクの火を消す時は吹き消さず、小さなウチワなどで消して下さい。

  • 中陰の間でも、灯明や線香はずっとつけておく必要はない。
  • お勤めや礼拝の時に火をつければよい。
  • 火は口で吹き消さないように。




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