16.偲ぶ先祖に、我が家も
  他家もない
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 1.葬儀の日取り

(1)お仏壇とお荘厳




17. 1軒に2つのお仏壇が……
 昔ならば、何代にもわたって住んでいた家も、近ごろでは人びとの移動が激しく、一人住まいであったり、核家族であったり、時には三世代同居であったりと、形がさまざまに変わってきています。

 そんな状況ですから、お仏壇のない家も多く、また逆に、1軒の家でお仏壇が2つになってしまうケースもでてきます。

 あるご門徒の家でも、はじめ若夫婦が住んでいて、お仏壇があったのですが、そこへおばあさんが同居することになり、おばあさんもお仏壇を持って若夫婦の家にやってきました。1軒に2つのお仏壇が安置されることになったわけです。が、それがもとでいざこざが起きてしまいました。

 というのは、ご主人がどこからか「1軒に2つのお仏壇があるのはよくない」と聞いてきて、おばあさんの持ってきたお仏壇を処分しようとしたからです。おばあさんは怒って「私のお仏壇ですよ。勝手なまねはさせません。処分するなら、あなたのお仏壇を…」となった次第です。

 家族みんなの心の依(よ)り所として、また心の安らぎを与えて下さるはずのお仏壇が、これでは台なしです。

 問題は2つあって、1つは“私のお仏壇”と、お仏壇を専有化していることです。お仏壇を安置するのは、ご本尊・阿弥陀如来をお迎えするためです。その如来さまは、元来「色もなく形もましまさぬ」のを、我々凡夫に真実を知らせるために“方便”として形を表されているのです。ですから「このお仏壇の如来さま」とか「あちらの如来さま」とか分けるべきでなく、家族が心を一つにして礼拝するものなのです。その意味から「一家にお仏壇は一つ」でよいわけです。

 しかし「お仏壇が2つあってはよくない」と、何か悪いことでも起こるように考えるのも間違いです。それにこだわって、人の心を傷つけては何もなりません。要は家族の一人ひとりが如来さまの真実の心を仰ぎ、心安らかに手を合わせる所がお仏壇であるということを忘れないことです。

  • お仏壇は1軒に1つでよい。
  • しかし「2つあってはいけない」とこだわるのも問題。




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