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(1)お仏壇とお荘厳




16. 偲ぶ先祖に、我が家も他家もない
 「お仏壇に“他人が入る”と先祖が気を悪くする」と思っている方はいませんか?

 ある日、こんな相談を受けました。

 「妻の両親が亡くなり、誰もおまつりする者がいません。宗派も違う他家の故人になるわけですが、はたして我が家のお仏壇でおまつりしてもよろしいものでしょうか」と。

 まず、「おまつりする」ということと、お仏壇の意義は先の項で述べましたので、よく味わっていただきたいと思います。

 この相談事について結論から言えば、ご先祖が気を悪くすることはありませんし、他家のご先祖を“偲(しの)ぶ”のも一向にさしつかえありません。それどころか、お仏壇に“縄張り”があるかのように我が家と他家を区別してご先祖を偲ぶことの方がよほど問題です。

 こうした閉鎖的な先祖観は、世俗的な感覚をのままを来世にも当てはめようとする貧弱な発想から生まれたものです。「先祖をおまつりする」という言葉の裏には、実はこのような自己中心的な発想があるようです。

 そのこだわりの心、殻を打ち破り、すべてのいのちの尊さに目覚めさせて下さる方こそが、ご本尊・阿弥陀如来なのです。生前お世話になり、育てていただいた縁ある方を偲びつつ、如来さまのお慈悲の心を慶ぶのに「我が家の先祖か否か」と、何のわけへだてが必要でしょうか。

 ですから、過去帳があれば、“我が家”の先祖とともに、そうした縁ある方々の法名等を記されて一向にかまいません。ただしその際、後々のためにも続き柄(関係)も書いておきましょう。

 くりかえしになりますが、「先祖を偲ぶ」ということは、我と他との間に垣根を作るのではなく、身近な縁ある方々を通して、はかりないいのちに支えられいる“私”に気づき、感謝することでしょう。お浄土が倶会一処(くえいっしょ)と言われるゆえんを味わって下さい。

  • 他家の先祖もお仏壇で偲べばよい。
  • 身近な先祖を通して、はかりなきいのちに支えられている“私”に気づくことが大切。




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