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(1)お仏壇とお荘厳




13. 仏飯と供物について
 法事でお参りしますと、時たま、お仏壇の中が何種類もの果物やお菓子、酒などで“占領”されているお宅に出くわします。また、ごていねいにも位牌(浄土真宗では用いない)の前に同様の食物やお茶、お水を置いているところもあります。

 そんな場合、必ずと言ってよいほど、肝心のローソク立てや香炉、花瓶が“のけ物”にされ、経卓(きょうじょく)の上などに載せられていたりするものです。お供えはなにもたくさんすればよいというものではありません。それよりもお仏壇の中は秩序よく、調和のとれたお飾りにすることの方が大切でしょう。

 そこでお供え物の心得について述べてみましょう。実は、これまでに触れたローソクの火(灯)やお花(華)、お香(香)もお供えする重要な物だったのですが、ここでは食物のお供えについて述べます。すなわち、お仏飯(ぶっぱん)と、一般にお供物(くもつ)といわれる餅(もち)、菓子、果物などです。

お仏飯
お仏飯の用意(本山)
 お仏飯は、他のお供物とは別に、特に大事にされている物で、毎朝ご飯が炊ければ一番にお供えすることになっています。仏飯器と呼ばれる専用の器に蓮のつぼみ形に盛り、ご本尊前の上卓、あるいは仏飯台に置きます。もし、両お脇懸(わきがけ)が御影像なら、その前にもお供えすることもありますが、過去帳や位牌の前には供えるものではありません。

 朝、お供えしたお仏飯は、午前中にお下げすることになっていますが、最近はパン食も増え、必ずしも朝ご飯を炊くとは限らなくなりました。そんな場合、朝でなくても、ご飯を炊けば必ず真っ先にお仏飯としてお供えするよう心がけて下さい。

 また、法事の時など、他のお供物はあるのに、お仏飯が供えられていない場合があります。せっかくの法事ですから、ご飯を炊いてお供えしていただきたいものです。

 次にお供物ですが、法事の時などにお供えし、作法の上から (1)餅 (2)菓子 (3)果物の順に重んじられています。供笥(くげ)や高杯(たかつき)に相応の量を載せてお供えするわけですが、同じ物を対にして供えるのが原則です。その場合、買ってきたお菓子を袋ごとそのまま供えるというのではなく、袋から適当に取りだし、形よく盛りつけて下さい。

 お供物の量が多ければお仏壇の中ではなく、横か斜め前あたりに台やお盆を用意してみてはいかがでしょう。要はお仏壇の中のお飾りを乱さないようにすることです。

 お供え物というのは、心情的には如来さまやご先祖に「食べていただく」ようにお供えするわけですが、むしろ、主食となっているご飯をはじめとして、“私たち自身”が生きていく上で欠かせない物であり、潤いを与えてくれる「食物の代表」であるわけです。そうしたいのちの恵みを、如来さまのお恵みとして心から慶び、感謝する気持ちが大切なのです。

 その意味からまた、他(よそ)からいただいた物も如来さまにお供えする習慣をつけましょう。そして如来さまからの“お下(さ)がり”としていただくところに、物の有り難さもしみついてくるというものです。なお生臭い物は避けます。

  • お仏飯はお供え物の第一。できれば毎朝供えましょう。
  • お供物は供笥にきちんと盛る。
  • 量が多ければ横に台を設ける。
  • お供え物は如来さまの恵み。




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